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高田に開設した事業所

株式会社テラスカイ

東京・日本橋に本社を置くIT企業テラスカイが、
2017年春、高田の町家をリノベーションして上越サテライトオフィスを開設しました。

代表取締役社長 佐藤 秀哉さんインタビュー

ーー地方に出てこようと思ったのはなぜですか?東京から離れて困りませんか?

今のIT業界は、だいたい15年から20年に1回のコンピューターの使い方の劇的な変化が起こっている時期なんですね。
今まであった、クライアントサーバー型というコンピューターの使い方から、クラウドコンピューティング、「クラウド」にどんどん移行が始まっているんですね。
今までは企業や個人がコンピューターを所有し、コンピュータールームを作って、開発者がそこに行って開発をしなければいけなかったんですね。
何か問題が起こると、マシントラブルといわれますので、そこに行ってメンテナンスをしないといけません。ということは、コンピューターのある場所から、離れられないんですよ。そんなに遠くに。
ところが、(テラスカイの主力事業である)‘クラウド’というのは、どこにサーバーがあるか利用者も知らないんですね。
マシンが壊れたからといって、駆けつける必要もないんですね。要するに、『どこにいても仕事ができる』のですね。

※「クラウド」とは、データをパソコンなどの端末ではなく、インターネット上に保存するコンピューターの使い方のこと。

ーーなぜ高田の町家に?

私の思いというより、社員の中から自然とこういう町家のオフィスがいいんじゃないか、という感じになってきたので、いいんではないかなと。
何回か高田に視察に来て物件を見たのですが、この雁木の街なみ、しかも、商店街のちょっと金属っぽい雁木ではなくて、木でできた雁木が並んでいる方がこの地方らしいんだろうなと、(視察に来た社員の)みんなは感じたんだと思います。
うちの役員で京都出身のメンバーがいるんですが、やっぱり山が近くていいと。京都は盆地なので山が近くて。
東京にいると、山は富士山か筑波山かくらいしか見えませんから。山が見えるのは安心する、といってましたね。

テラスカイ 上越サテライトオフィスの大改修工事を請け負った上越市の建設会社 清水組の清水社長にもお話を伺いました。

株式会社清水組 代表取締役 清水 恵一 さん
テラスカイ 上越サテライトオフィスの大改修工事を請け負った上越市の建設会社 清水組。
清水社長は、各地の歴史的建造物の改修や移築を手掛ける、町家の専門家です。

ーー町家改修にあたって、施主さんの要望は?

このテラスカイさんは、これだけ凄いIT企業で、最先端をやる人たちが、この古い(町家の)ままでオッケーで。設計の人たちもみんな元の状態をいかして作るじゃない。すごく素晴らしいな、と思って。
障子などの古い建具が残っていたんです。だから、「これ使いましょうか」って話をして。古い建具をちゃんと全部使ってくれているでしょう。古い漆喰も、「塗り替えないでいいですか」と聞いたら、「塗り替えないでいいから、そのままやりましょうよ」って。

ーー高田の町家の特徴は?

(テラスカイさんが)私に聞かれたのは、「高田の雁木って、どんなところが特長なんですか」とか、「どんなところを傷つけちゃいけないんですか」とか。
片側に「通り土間」があって、それから「ミセ」、「チャノマ」、「ザシキ」っていう感覚が、この町家でいちばん大事なところだと。真ん中がそれを立体的につなげる唯一の「吹抜」。
一家団らんの「チャノマ」を中心として、立体的につなげるのが、この高田の町家なんですよ。
(町家は)そういう風に作ってあるから、そういうものを壊さないでほしい、こういう使い方が一番いいですよ、と話しました。

ーー施工にあたり、耐震性や安全性の面で気をつけたことは?

私が、(耐震)構造をやってますから、地震に強くするための必要最小限の壁を作りました。
それから、壁の中に接続する金具が見えないように仕掛けてあります。そういうふうに現代の工法で、地震だけはきちっと全部保てるようにして。絶対にそのようにします。
要するに、普通だったら説明されなければわからない状態で補強しているから。
(耐震補強を)やった、っていうのが、誰もわからない。
これは昔の職人さん達の仕事もそうなんですよ。
ものすごい腕を持っている人たちも、表には絶対表さない。
誰か同じレベルの人たちが見たときに、「こんなことやってらあ」と思わせるのが、プロの面白いところなの。